逆流性食道炎・ピロリ菌esophagitis
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは
逆流性食道炎とは、胃と食道の境界部分が緩むなどの要因により、強い酸性の胃酸や、胃で消化途中の食物などが食道へ逆流することで、食道が炎症を起こし、胸やけなどの症状を引き起こす病気です。
従来、逆流性食道炎は欧米人に多く、日本人には少ないとされていましたが、食生活の変化にともない、日本でも増加傾向にあります。
「ただの胸やけ」と思って逆流性食道炎を放置していると、「バレット食道(胃と食道の境界部分で炎症が起こり、食道の粘膜が胃や腸に似た粘膜に変質する病気)」を引き起こすことがあり、胃がんの原因となる場合がありますので、症状をお感じになった時には放置せずにすぐに受診するようにしてください。
こんな症状はありませんか?
- 胸やけ(主に食後)
- 呑酸(酸っぱい・苦い液体が口まで上がってくる)
- 嚥下障害(喉が詰まり、食べ物が通過しにくい)
- 胸を締め付けられるような痛み
- 激しく咳き込む
- 頻繁にゲップが出る
- 胃が重い
- 腹部の張り
- 喉の違和感
逆流性食道炎の検査
逆流性食道炎の検査では、主に診断的治療が行われます。問診にて逆流性食道炎を診断した後、胃酸の分泌を抑える薬を処方して、2~4週間程度かけて治療効果を確認します。
ただし、逆流性食道炎と似た症状を引き起こす病気(胃がん、胃潰瘍、食道がんなど)であった場合でも、症状が一時的に改善することがあるため、より正確な診断のためには胃カメラ検査を受けられることをおすすめします。
逆流性食道炎の治療
薬物療法
逆流性食道炎の治療では、主に薬物療法が行われます。
胃酸の分泌を抑える薬などを処方して、症状を改善に導きます。
生活習慣の指導
「食後、すぐに横にならない」「前屈みの姿勢を避ける」「アルコールやコーヒーなど、胃酸などの逆流を起こしやすい食品を避ける」などの生活習慣のアドバイスを行い、症状を改善に導きます。
手術
薬物療法で効果が得られなかったり、食道炎が重症化したりしている場合などには、胃酸などの逆流を防ぐ手術が必要となることがあります。
手術が必要な患者様には、病態に応じて適切な医療機関をご紹介します。
ピロリ菌
ピロリ菌とは
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)とは胃の粘膜に生息する細菌で、胃潰瘍や胃がんなどの発生に関与しているとされています。
日本人の中高年の約過半数、またがん患者の多くがピロリ菌に感染していると言われています。
ピロリ菌に感染した状態が長期化すると、委縮性胃炎を引き起こし、胃がんの発生リスクが高まる場合があります。
「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「ピロリ菌感染胃炎」と診断された場合には、保険適用により2回までピロリ菌除菌を受けることができます。
ただし、その際には胃カメラ検査を受けることが必要となります。
ピロリ菌の検査
すでに何らかの方法でピロリ菌の陽性が判明している場合は、胃カメラを施行し、現時点での胃痛併発かどうか確認のうえ、除菌療法をします。
ピロリ菌の有無が不明の状態で、胃カメラを施行し、萎縮性胃炎が判明した場合、主に迅速ウレアーゼ試験を施行し、ピロリ菌の有無を調べます。
結果は1時間で判明し、陽性であれば除菌療法をします。
陰性であれば、別の種類の検査でピロリ菌の有無を調べます。
除菌終了後、1~3か月開けて、主に尿素呼気法で除菌成功の有無を調べます。
ピロリ菌除菌の流れ
診断
すでに何らかの方法でピロリ菌の陽性が判明している場合は、胃カメラ検査を施行し、現時点での胃痛併発かどうか確認の上、除菌療法を行います。ピロリ菌の有無が不明の状態では、胃カメラ検査を施行し、萎縮性胃炎が判明した場合、主に「迅速ウレアーゼ試験」を施行してピロリ菌の有無を確認します。結果は1時間程度で判明します。
■陰性の場合
陰性の場合、別の種類の検査でピロリ菌の有無を確認します。
■陽性の場合
陽性の場合、除菌療法を行います。
除菌(1回目)
ピロリ菌の除菌薬を1週間(1日2回)服用します。
除菌の判定(1回目)
除菌終了後、1~3ヶ月開けて、主に「尿素呼気法」で除菌成功の有無を確認します。
■陰性の場合
陰性の場合、別の種類の検査でピロリ菌の有無を確認します。
■陽性の場合
陽性の場合、除菌療法を行います。
除菌(2回目)
1回目の除菌薬とは異なる薬を、1週間(1日2回)服用します。
除菌の判定(2回目)
除菌終了後、1~3ヶ月開けて、主に「尿素呼気法」で除菌成功の有無を確認します。
■陰性の場合
陰性の場合、除菌成功で終了となります。
■陽性の場合
陽性の場合、3回目の除菌療法を検討します。3回目の除菌から自費診療となります。
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